おべんきょしましょ

日本転倒予防学会学術集会始まりました。

と言いますのも、オンデマンド方式で11月まで視聴可能ということでまだまだ進行形でお勉強になるわけなのです。今回もなかなか興味深い内容の演題でした。基調講演ともいうべき会長の演題でもありましたが転倒予防とは対象者の皆さんを相手に運動指導するのが目的ではありません。また、転倒は絶対悪で転倒を徹底的に無くそうというのでもありません。そこにあるのはそれぞれ病院、施設、または地域で人々が「豊かな活動をするために」という大きなテーマのもとに専門家が集まり知見を高めたうえでそれぞれの役割で還元するんだという方々の集まりなんです。

 

さて、

わたしは柔道整復師です。柔道整復師は外傷を取り扱うのが本業です。ですので患者さん方は転んで怪我をされる方が圧倒的に多く❝転倒予防❞に関することはある程度理解していなければなりません。

圧倒的多数の方々は❝転倒予防❞なんて他人事のように感じているかもしれません。そうですよね、元気なうちは転ぶことも稀ですしもし転んだとしてもせいぜい打ち身で痛い程度で医療機関にかかるほどのケガはとても少ないわけでして関心がなくて当然です。

ただし、いつまでも若いわけではありませんあなたは昨日より間違いなく1日分歳を重ねています。その繰り返しで1年、10年あれよあれよで高齢者の仲間入りになるのは避けられません。

高齢者(65歳以上)の3人に一人は過去1年間に転倒を経験し、そのうち1~3割は骨折などを伴うケガをする。そのまた1割は重篤なケガである大腿骨頚部骨折に至るのです。

このようなお話もあります。

高齢者(一部中年層も含まれますが)の要介護に至って寝たきりになりついに人生の終焉を迎える原因疾患は骨折(大腿骨頚部骨折)や下肢関節疾患に伴う歩行障害がTOP3に入ります。

 

私はいつもこうかんがえています。

今、目の前にいる患者さんはどうしてこのようにケガをしたんだろうか?

単純な疑問ですが考えるとわからないことばかり。ですから日々学ぶんですね。。。

勉強嫌いの私ですが、そんなことは言っていられません。仕事なんですから患者さんと向き合うためには必須のお勉強になるわけです。

わたしはなによりも私たち臨床家にとって重要なのは常に学ぶことだと思うのです。

 

骨折しました。整復して固定して、動きが悪くなったから運動療法して歩けるようにします。

 

仕事のあらすじはそのとおり間違っていません。しかし、たくさんの症例と向き合えば向き合うほど私にはわからないことが増えていくのです。それは勉強不足、知見不足のなにものでもありません。患者さん個人には全く関係のない話し。患者さんにしてみれば治って歩けて生活できればそれでいいわけですが、果たして自分はそれで十分なのか??なにより患者さんからお金を頂いて生きているわけですから他の医療機関や接骨院に行かれているのであれば関係ありませんが、選んでいらっしゃってくれている患者さんに私が出来ることは、今ケガをして不自由でも近い将来満足した生活を送るために充分なケアをすることなのです。

また、症例の中には私が扱う領域から逸脱している疾患をお持ちの方も時にいらっしゃるわけです。

その方をそのままにしておきますか?知らんぷりするのですか?

わたしはそのようなことはできません。患者さんを目的の医療機関に情報提供する場合、所見を的確に把握できていなければ紹介状を書くこともできないのです。そのために磨くべきものは「みる力」です。知らなければ、みたとしても気付くこともできないのです。医者じゃないんだからそこまで要らないんじゃね?という意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。また、越権行為でないの?とおっしゃる方もいると思います。

患者さんの立場で考えたらどうでしょうか。

困って選んでくれた方々に尽くすのは至極当然であり、また私は患者さんへの説明の際医師が携わる内容まで説明は加えません。診断権は柔道整復師にはありませんのでわきまえています。

 

今目の前にいる患者さんの最善策をみつけだす

 

わたしがおもう転倒予防指導士とは転ばせないように運動させる運動指導員ではありません。患者さん方を集めて運動させるのはなにも私でなくていいのです。わたしにとって転倒予防指導士とは患者さんと向き合うための一つの道具・ツールなのです。

転倒予防の集まりでいつも感じているのは参加されている一人一人がそれぞれ業界の先陣を切っている現役バリバリの方々で皆さんのお話を聞くことで私自身の知識も充実してきます。今後超高齢化社会において転倒というキーワードは誰しもが背負わなければならない宿命でもあるのです。

患者さんの生活の質を向上させることは私の生業であります。そのために必要な道具なのです。

私一人では決して背負うことのできない患者さんの人生を勉強していくことでどのように「道しるべ」としてさし示してしていけるか。これが私が目指す転倒予防の姿だと思っています。

 

転んでもいいんです

ちょっとけつまづいてケガしちゃった

おもいがけず大きなけがだった・・・でもいいんです

善後策を講じていきましょう

それでもまたころぶ

だって衰えていくんだもの当然です

仕方がないと諦めますか?

でも、ちょっと抗ってみたいですよね もがいてみたいですよね

 

そのときにわたしがほんの少しだけ

手助けさせていただきます 

 

わたしは頑張っている人を

応援いたします!!

(…何かのキャッチフレーズみたいですね(;^ω^))

 

では今回はこれにて

fin